校正サービスに関するQ&A

計量法に基づく校正サービスに関するQ&A(よくあるご質問)

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回答

Q1: 乾式自動測定機を正しく合わせるにはどのようにしているのでしょうか?

1996年の環境庁通達で「乾式測定機」が正式に追加されて以降、乾式測定機に順次切り替わりつつあります。乾式測定機は、従来の「湿式測定機」に比べて保守点検頻度が少なくて済む利点があります。 しかし信頼できるデータを得るには、適切な保守管理の実施はもちろんのことですが、正しく目盛合わせがされていなければなりません。これを校正(calibration)と言います。乾式自動測定機の校正には、既知濃度の標準ガスに出力値を合わせます。

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Q2: 校正にはJCSSマーク付き標準ガスを使用しているので、目盛合わせは全く問題ないと思いますが?

標準ガスは国が認めた認定事業者により供給され、国家標準へのつながり(トレーサビリティ)が確保されている証拠として、JCSSマークの付いた濃度証明書が発行されます。 一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)では、標準ガスをそのまま測定機に導入しますが、大気中の二酸化硫黄(SO2)や窒素酸化物(NOx)は濃度が低いため、標準ガスをゼロガス(精製空気)で希釈して使用します。この希釈装置については、現在のところ何も保証がなく、従って得られるデータも、トレーサビリティが確保されていないのが実情です。

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Q3: 現在、希釈装置にはどのような問題があるのでしょうか?

当社の調査によれば、大気常時監視において使われているSO2計とNOx計に付属した希釈装置を確認したところ、台数の4割近くが「環境大気常時監視マニュアル」等で目安としている±2%を外れていました。また、±10%を超えるものも稀ではありませんでした。 希釈装置のずれは、測定値そのものに直接影響しますので、目盛合わせがずれたまま長期間データを取り続けることになり、後々大きな問題につながる心配があります。

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Q4: 気体流量の標準器はどんなものですか?

(独)産業技術総合研究所は「気体流量」の国家計量標準(特定標準器という)として、天秤を用いた気体流量校正設備を保有し、小流量の特定二次標準器である「ISO型トロイダルスロート音速ノズル」の値付けを行います。 当社は、この特定二次標準器を装着した音速ノズル式質量流量計を基準として、下位のワーキングスタンダード(マスフローメーター)を校正します。このワーキングスタンダードにより、基準希釈器に内蔵された2つの流量計を校正します。

国家計量標準とのトレーサビリティ
図1 国家計量標準とのトレーサビリティ

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Q5: トレーサビリティとは、どう言う意味ですか?

ISOによれば、「不確かさがすべて表記された、切れ目のない比較の連鎖を通じて、国家標準に関連付けられ」をトレーサビリティ(Traceability)と言います。 希釈装置について言えば、図で示されるとおり、末端の乾式自動測定機までトレーサビリティを確保することができます。また、「不確かさ」を表示することによって真の値が測定値に対してどの程度の範囲内に存在するかを示します。 これまでマスフローコントローラ等を校正する際の基準器とされている「湿式ガスメータ」や「石けん膜流量計」は、国家標準とのトレーサビリティは確保されておりません。

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Q6: 校正事業者登録制度とは何ですか?

平成5年に施行された改正計量法により、「計量法トレーサビリティ制度(JCSS)」が導入されました。JCSS は「計量標準供給制度」と「校正事業者認定制度」から成り立っています。 JCSS 登録事業者は、国の標準器(特定標準器という)により校正された「特定二次標準器」または、それに連鎖して段階的に校正されたワーキングスタンダードを用い、一般ユーザーの計量器の校正を行います。

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Q7: 登録事業者の資格要件は、どのようなものでしょうか?

当社は平成14年8月、JCSS校正事業者として、
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE) 別ウィンドウを開くの審査を経て登録されました。
登録事業者の要件としては、

等があります。 さらにリファレンス機関との間で、技能試験(測定値比較)を行い、不確かさの範囲で結果が一致していることが要求されます。 従って、登録事業者による校正サービスとは、一定の能力が認められた事業者による、国家標準にトレーサブルな校正結果を提供するサービスと言えます。

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Q8: 保守管理を全て業者委託しているが、希釈率校正も行っているのではないでしょうか?

委託仕様書に希釈率の校正が明記されてなければ、実施されていないものと思われます。仕様書に明記してあっても、JCSS認定事業者以外、国家標準にトレーサブルな校正は実施できません。 乾式自動測定機の校正は、国家標準とのトレーサビリティを確保し、校正の能力を認められたJCSS認定事業者が関与すべき事項と言えます。

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Q9: 測定データの信頼性を担保するには、測定機全体の精度管理が必要だと思うのですが?

ご指摘のとおり、測定機の精度を保ちデータの信頼性を確保するためには、希釈率の校正だけでなく測定機全体の精度を管理しなければなりません。「環境大気常時監視マニュアル」には、測定機に係る性能試験の内容が記載されています。 グリーンブルーはお客様のご希望により、各種性能試験と校正サービスとを組み合わせて実施いたします。

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