用語説明
用語補足説明
1)独立行政法人製品評価技術基盤機構
(NITE: National Institute of Technology and Evaluation)
経済産業省の管轄下にあって、工業製品等に関する技術的な評価分析、調査研究を行い、最新の技術情報を国民、産業界へ提供する知的基盤機関と位置づけられています。特に「バイオテクノロジー」「化学物質管理」「適合性評価」および「人間生活・福祉」の4分野について行政に必要な技術知見・ノウハウを体系的に収集整理し提供しています。また、内外における取引の適正・円滑化のため、法令に基づく認定・審査業務を国際ルールに基づいて実施する機関です。
http://www.nite.go.jp/
2)同上 認定センター
(IA Japan:International Accreditation Japan)
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の適合性評価センター内に平成14年度から設立された機関で、試験所・校正機関に係る認定プログラムを運営しています。
現在IA Japanには、JCSS(計量法校正事業者登録制度)、MLAP(計量法特定計量証明事業者認定制度)、JNLA(工業標準化法試験事業者認定制度)、ASNITE(製品評価技術基盤機構認定制度)の4つのプログラムがあります。
3)計量法校正事業者登録制度
(JCSS:Japan Calibration Service System)
平成5年施行の改正計量法により導入された「計量法トレーサビリティ制度」の一つで、計測機器の信頼性を確保するために、国家標準との計測のトレーサビリティ(比較の連鎖により計測機器へのつながり)を証明する校正機関を、計量法に基づいて登録する制度です。
「製品評価技術基盤機構(NITE)」に申請した校正機関は、計量法、関連法規およびISO/IEC 17025の要求事項に基づいて審査を受け、登録された校正機関は「登録事業者」と呼ばれます。
2002年8月現在、認定の事業区分としては18区分が設けられており、グリーンブルーは事業の区分:「流量」のうち、分類:「気体小流量」で認定を受けました。
4)計量法トレーサビリティ制度(JCSS)
計量法トレーサビリティ制度(JCSS)は、平成5年施行の改正計量法により導入され、「計量標準供給制度」と「校正事業者登録制度」から成ります。
先端産業をはじめ工業における高精度の計測や品質管理の信頼性確保のため、信頼性のある計測のトレーサビリティを確保することで、国際的なワンストップテスティング(1回の試験結果が世界中どこでも受け入れられる)の実現に重要な役割を担っています。
5)ISO/IEC 17025:1999「試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項」
試験所または校正機関が、特定の試験/校正を実施する能力があるものとして認定を受ける場合に、満たさなければならない要求事項を示したもので、そのまま和訳されてJIS Q 17025:2000として発行されています。
従来、試験所や校正機関は各国のニ-ズに応じてそれぞれ発展してきましたが、グローバル化の進行にともない試験/校正結果を互いに認め合うべきとの考えから、1978年に「ISO/IECガイド25」が発行されました。その後、ISO 9000の品質マネジメントの考え方が取り込まれ、1999年12月に規格「ISO/IEC 17025」として発行されました。
ISO/IEC 17025は「管理上の要求事項」と「技術的要求事項」とに大きく分かれています。、管理上の要求事項では、試験所/校正機関が良好な運営管理を行うため、品質システムを構築し維持することを求めています。技術的要求事項では、試験所/校正機関が行う特定の試験/校正の内容に応じた技術能力(要員、施設・設備、手順、測定のトレーサビリティ確保など)が要求されています。
6)特定二次標準器
特定標準器(国家標準)を用いて校正された計量器(物質の状態を量るための器具、機械または装置)を言います。
「流量-気体小流量」の分野では、「気体流量校正装置」(容器と天秤を用いる方法)と「ISO型トロイダルスロート音速ノズル」の2つが、校正の範囲内(ガスの種類、流量)において「特定二次標準器」に定められています。
グリーンブルー?では、認定範囲に相当する規格の「ISO型トロイダルスロート音速ノズル」を所有し、独立行政法人 産業技術総合研究所で国家標準に基づく校正を受けています。
7)計測のトレーサビリティ
「不確かさがすべて表記された、切れ目のない比較の連鎖を通じて、通常は国家標準等に関連づけられる測定結果の性質」と定義されています。すなわち、ある計測機器の指示する値が、段階的な校正を経て、国家標準にまで辿り着くことを意味しています。
8)測定の不確かさの見積り
校正においては、入力および出力のばらつきなど一連の測定値の統計(一般に標準偏差が使われます)から評価される「タイプAの不確かさ」と、統計以外の方法として、メーカー/校正機関等の校正証明書の値や、以前の測定データや経験値を利用する「タイプBの不確かさ」とがあります。
校正に伴う全ての不確かさを合成した「合成標準不確かさ(u)」に、包含係数k=2を乗じた「拡張標準不確かさ(U)」は、正規分布に関して約95%の確率に相当する区間を示します。
「校正証明書」においては、測定量の校正結果(すなわち推定値、y)と拡張不確かさ(U)とが、y±U の形で記載されます。
9)音速ノズル
ノズルの上流と下流の圧力比が「臨界圧力比」を越えた状態になると、ノズルを流れる気体の流速は音速に到達します。音速に達すると下流側の圧力変化には依存せずに、上流側の圧力と温度だけに依存するようになり、きわめて安定した流量が得られます。この原理を利用し、上流側圧力(および温度)を検知すれることで質量流量計として利用することができます。
特定二次標準器に使用される音速ノズルは「ISO型トロイダルスロート音速ノズル」と呼び、全体が円盤形で、ノズル部分の形状(直径と曲率など)に一定の制限があります。