「アメサ」が求められる時代背景

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廃棄物焼却施設からのダイオキシン類の排出濃度は、ダイオキシン類対策特別措置法 により既設の焼却炉に許されていた80 ng-TEQ/m3Nの基準が平成14年12月1日からはなくなり、焼却能力によって決められる基準が以下のように強化されました。

新設炉は 0.1  1  5  ng-TEQ/m3N
既設炉は 1  5  10  ng-TEQ/m3N

環境省によれば、これらの排出基準は常に超えてはならない濃度とされており、 本来常時監視してチェックすべきですが、ダイオキシン類対策特別措置法では「年1回以上の測定」と規定されていることから、公定法による4時間の排出濃度の測定が年に1回~2回、燃焼が安定している時間帯に行われているに過ぎないのが日本の多くの焼却施設における現状です。

ダイオキシン類の排出濃度は、燃焼物の投入、燃焼物(ゴミ質や含水量など)の変動、有害物質除去装置(バグフィルターなど)の状態などにより、大きく変化するので、年に1回や2回の短時間測定だけでは 実際に施設から常時排出されるダイオキシン類濃度を把握することは困難です。

排ガス中のダイオキシン類の排出濃度は、施設によって複数の測定の間に数倍から数十倍もの大きな差異が生じる場合があることが国内及び国外での調査で報告されています。

フランスでは2010年8月3日付の新しい法令が発布され、一般廃棄物焼却施設におけるダイオキシン類の連続採取が2011年11月1日から法的要求事項として法制化されました。2011年11月1日から2014年7月1日の移行期間を経て全ての燃焼施設でアメサのような長期モニタリングを行うための装置を用いたダイオキシン類排出量の常時監視が行われるようになりました。

【ダイオキシン2003国際会議(米国・ボストン)】
ベルギーの一般廃棄物清掃工場から排出されるダイオキシン類の調査では、1998年に長期連続サンプリングで測定された2週間の平均排出濃度が 公定法による6時間のダイオキシン類濃度を30~50倍も上回るという現象が観察され、施設の清掃と改善対策を講じた後でも3倍ほど上回りました。

この調査結果がきっかけとなり、ベルギーではダイオキシン類常時監視を義務付ける法律が制定され、2001年1月からは各清掃工場がアメサ(AMESA)などの長期サンプリング装置を設置してダイオキシン類の2週間平均濃度を連続的に測定しています。測定された排ガス中ダイオキシン類の結果は、ウェブサイトで逐次公開され、施設周辺の住民はこれを見ることで近隣の焼却工場が適切に運転されていることを確認しています。

ベルギー ワロニー州のダイオキシン測定結果公表サイト http://environnement.wallonie.be/data/air/dioxines/

【ダイオキシン2009国際会議(中国・北京)】
ベルギーでは、アメサ(AMESA)を用いた上記のような取り組みの結果、1999年には 5g-TEQ/年 だった年間のダイオキシン類排出量を2001年には 0.7g-TEQ/年 にまで低減させることに成功しました。また、2007年にはゴミの処理量が75%も増えたにも関わらず、更に年間のダイオキシン類排出量を0.02g-TEQ/年 にまで抑えられるようになりました。
これは、排ガス中のダイオキシン類低減を目的としたバグフィルターなどの設備が整備されたこともありますが、施設管理者の燃焼改善や設備管理に対する意識が改善されたり、プラントの運転担当者がアメサによるダイオキシン類の測定結果を何度も見るうちにダイオキシンが生成されにくい運転要領を会得していったりしたことによると発表されています。

 

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