技術的事項に関するご質問 【JIS法との関係について】
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最先端のダイオキシン監視装置を販売しています。
Question7.
アメサはJIS法と一致していますか。
Answer7.
ヨーロッパでは2015年に排ガス中のダイオキシン類を長期間測定する「公定法」としてCEN/TS1948-5が制定されました。この手法は排ガス中のダイオキシン類を自動で長期にわたって測定するための機器に求められる要件を規定しており、ヨーロッパの先進諸国はこのこの規定に基づいて燃焼施設の排ガスから排出されるダイオキシン類の濃度を常時監視して、市民に公開しています。
このCEN/TS1948-5の中に例示された3種の測定手法の内、冷却プローブ法(Cooled Probe Method)としてアメサは例示されており、公的に認められた装置となっています。公定法の中に示されるにあたって、欧州標準化委員会のワーキンググループによる精度確認のプロセスを経てきており、その測定精度が十分であることは公的に認められています。
一方、日本では公定法としてJIS法(JIS K 0311)が制定されていますが、この手法は4時間程度の短時間の排ガス採取のための手法となっています。アメサは長期間連続採取(Continuous Long-term Sampling)のために開発された機器なので、短時間サンプリングしか対応できないJIS法と比較するのは不適切と言えます。
ただし、日本国内でアメサをお届けする場合には、標準サービスパッケージとして1年に1回~2回のJIS法との並行測定による確認試験を含めています。両手法による測定結果の評価にあたって考慮していただくことも可能です。
Question8.
なぜJIS法(JIS K 0311)ではダイオキシン類の「長期連続採取」ができないのですか。
Answer8.
通常、廃棄物焼却炉などの排ガス中には数十パーセントの水分が含まれています。この水分は煙突や煙道の中では100℃以上の高い温度の状態にあるため、ダイオキシン類の採取装置に引き込まれると冷却されて凝縮します。凝縮して液体になった水分は測定装置の容器の中に溜まっていきます。その中には分析されるべきダイオキシン類も含まれていますが、この量が長期間の採取では膨大になり、回収処理できなくなってしまうために、事実上、半日程度を超えてJIS法による採取を行うのは難しくなってしまうのです。
ダイオキシン類を長期間測定するためのヨーロッパの公定法であるCEN/TS1948-5には、このような凝縮水を適切に処理し、そこに含まれるダイオキシン類も正確に測定できる手法が3種、例示されています。アメサはその中のひとつの冷却プローブ法(Cooled Probe Method)に基づいています。
Question9.
JIS法では、ガスクロマトグラフ/質量分析器(GC/MS)の検出感度や評価すべき値を考慮して、測定濃度に応じた試料採取量を定めるよう決められていますが、アメサではどうなっていますか。
Answer9.
アメサでは1週間から1ヶ月程度の測定期間が設定されることから、一般的なJIS法による測定よりも多い試料ガス吸引量が得られます。昨今、焼却能力が4トン以上の新設焼却炉の基準値が0.1ng-TEQ/m3Nであるのに対して、それよりも低い0.01 ng-TEQ/m3Nや0.05 ng-TEQ/m3Nといった設計値や自主管理目標値を設定される施設が増えてきています。
通常のJIS法による分析方法で、これらの低いレベルに押さえられたダイオキシン類を定量するのは、難しくなってきています。低いレベルのダイオキシン類を定量するために必要な量の排ガス試料を採取することができないからです。一方、JIS法よりも多くの試料ガスが得られて、十分な定量下限値が実現できるのもアメサの魅力のうちのひとつです。
Question10.
アメサではカートリッジのみの分析であり、サンプリングライン(採取管内壁など)に付着したダイオキシン類が分析されていないので、濃度が低く出る恐れはありませんか。
Answer10.
アメサの採取プローブ(採取管)内では、高温の試料ガスを50℃程度まで冷却します。すると試料ガス中の水分が凝縮し、アメサの採取プローブ(採取管)の内壁をつたって、そこにある固形分のダイオキシン類を洗い流し、カートリッジへと運びます。この作用により、採取管内壁などに残留するダイオキシン類の量は、ほとんど無視できる程度であることを確認しています。
それでも採取管内壁などへの付着を気にされるお客様のためにアメサにはガラス製採取管(内管)のオプションが準備されています。カートリッジ回収時にガラス製採取管を同時に回収し、分析試料に含めることがで採取管内壁にわずかに残留したダイオキシン類も分析することができます。
Question11.
1ヶ月の長期間試料採取になると、採取管のノズルや圧力センサーが詰まるなどのトラブルが発生する可能性も大きくなると思われますが、アメサではどう対処していますか。
Answer11.
アメサは等速吸引の設定にプラントル管やピトー管を用いていますが、特にプラントル管の測定孔は非常に小さく目詰まりの可能性が最も高い部位です。
アメサは30分に1回の間隔で圧縮空気の噴射を行い自動洗浄を行うようになっています。 また、採取管ノズルの詰まりについては、アメサ自身が異常を検知してアラーム信号を発するようになっています。万が一、アラームが出ればグリーンブルーの保守担当者が、駆けつけるようになっています。
Question12.
焼却炉の立上げや埋火時に、排ガス流量の変動が大きくなり、等速吸引の信頼性(追従性)を保つのが難しくなりますが、アメサはこれをどう保証しますか。
Answer12.
アメサは煙道排ガスの流速に合わせて、試料ガスの吸引速度を自動調整することができます。焼却炉の立上げ時などの排ガス流量が急激に変化する時でも、正しく等速吸引できる性能がなければ、ダイオキシン類の連続採取装置とは言えません。
アメサはこの点において十分な信頼性を持ち合わせていることをドイツのテュフ(TUV)やイギリスのエムサーツ(mCERTs)による性能試験で確認されています。もちろん、焼却炉が一時停止する埋火運転の際には排ガス流速がほぼゼロになり、流速の測定が困難になるので、アメサには一定の条件で測定を停止できるプログラムが組み込めるようになっています。
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