技術的事項に関するご質問 【ダイオキシンの吸着メカニズムについて】
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Question13.
1ヶ月もの長い間、排ガスを吸引して、ダイオキシン類が吸着剤の最大吸着量を超えることはありませんか。
Answer13.
アメサは吸着剤としてアンバーライトXAD-2を用います。JIS法で用いる量よりも比較的多くの量のXAD-2樹脂を充填したカートリッジを使うことで長期間の採取を行っても吸着剤の最大吸着量を超える(破過する)ことはありません。
Question14.
排ガス中の粒子状ダイオキシン類は、XAD-2樹脂だけで完全に捕集できますか。
Answer14.
アメサはダイオキシン類の捕集にアンバーライトXAD-2樹脂と石英ウールのみを充填したカートリッジを使います。オプションでろ紙を用いることもできますが、標準ではXAD-2樹脂の前に石英ウールを充填する以外に他の採取媒体は用いません。
この方法で粒子状のダイオキシン類はもちろん、ガス状のダイオキシン類も捕集できることが確認されています。
Question15.
JIS法では、気体、液体、固体のダイオキシンを別々に捕集していますが、アメサでは気体、液体、固体が混合された状態でカートリッジ捕集するようになっています。その吸着メカニズムについて検証されていますか。
Answer15.
アメサはダイオキシン類の捕集にアンバーライトXAD-2樹脂と石英ウールのみを使います。合成吸着剤アンバーライトXAD-2は、スチレンとジビニルベンゼンの共重合体で、MR構造(Macro Reticular Structure 巨大網目構造)を持つ、白色の不透明な球状粒子です。
その他の方法として、ポリウレタンフォーム(PUF)を用いることも想定できますが、PUFはその作成過程で薬剤発泡を行うため、作成ロット内での発泡粒径に偏りが出て、ダイオキシン類の捕集効率に影響することが懸念されます。
また、試料ガスをPUFに通した時にそれ自体が変形してしまう問題もあります。XAD-2樹脂は、JIS法でも排ガス採取に推奨されていますが、その表面には90Å(オングストローム)ほどの小さな穴があいていて、比表面積は200 m2/gほどにもなります。そこへダイオキシン類が吸着される仕組みになっています。
気体、液体、固体のダイオキシン類を捕集するにあたり、化学的にも極めて安定していて、ダイオキシン類を吸着させるには非常に適しています。
Question16.
アメサの採取系はJIS法のろ紙やXAD-2樹脂、インピンジャーと異なりますが、
ダイオキシン類の二次生成が起きないような温度管理はされているのですか。
Answer16.
JIS法やEPA法では、採取中に採取系でダイオキシン類の二次生成が起きるのを防止するためにろ紙部の温度が120℃以上になるのを防止するように規定しています。
また、XAD-2樹脂の捕集効率が低下しないように、その温度が30℃以上に上昇しないよう、
試料ガスを十分に冷却するように規定しています。アメサの採取系は、冷却プローブ法を発展させたものになっているので、基本的に試料排ガスを冷却して採取機の中へ取り込みます。
試料ガスはプローブ内で急激に冷やされるので、二次生成の恐れはありませんし、
XAD-2樹脂においても吸着性能の低下は起こりません。
Question17.
アメサでダイシン類を捕集したカートリッジ(XAD-2樹脂)は、分析のためにラボまで運ばれますが、輸送の間、ダイオキシン類は安定しているのですか。
Answer17.
JIS法やEPA法では、採取した後の試料の取り扱いとして、冷暗状態での保管や輸送を規定しています。アメサの場合も同様の方法で試料を取り扱います。
XAD-2樹脂を充填するカートリッジは褐色のガラスで作られていて、光によるダイオキシン類の分解を防いでいます。
また、輸送中は専用のキャリーケースを用いることで、安全かつ安定した状態で運ぶことができます。
アメサがパスしたテュフ(TÜV)の性能試験では、この観点での確認試験も行われ、採取されたダイオキシン類のロスの問題がないことが確認されています。
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